住宅の性能と健康
今日は9月29日です。
9月も末になって、ようやく秋めいてきましたが、今年の夏も暑かったですね。
6~8月の日本の平均気温が昨年と並んで過去最高となりました。
こちらは日本の夏の平均気温偏差の速報値ですが、昨年と並んで+1.76℃と過去最高です。
昨年2023年7月、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、衝撃的な発言をされています。
「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した。」(一部抜粋)
日本は2030年度に2013年度比で温室効果ガス46%削減を目指しています。
省エネというと、みなさんはどういうイメージをするでしょうか?
①古い家電製品を、省エネ性能の高い家電に買い替える
②使っていない電気を消すなどの節約をする
③クールビズ、ウォームビス等でガマンする
といったところではないでしょうか。
私も以前はそう思ってました。
私の自宅は2005年建築の木造2階建てです。
元々のUA値は0.96(等級3)でした。
夏は暑くて、エアコンも効きが悪いので、日中は外出して涼しいところに行く。
夜は窓を空けて扇風機を回して、汗だくになって起きる。
冬は、窓は結露してビショビショ。
家の中にいても息が白くなる。
窓際は冷気が落ちてきて床が冷たいので、家にいるのに靴下をはく。
スウェットを着込んで、分厚い布団をかけて寝る。
こんな生活を当たり前だと思っていました。
しかし、断熱改修をして、UA値0.60(等級5)まで改善したところ、劇的に環境が変化したのです。
まず、内窓を付けたのですが、内窓はほとんど結露しません。
内窓を空けたとたん、元の外窓は結露します。
※結露は自然現象ですので、室内の水蒸気が露点温度以下の部分に触れれば発生しますのでご注意ください。
2階の天井裏と1階の床下も断熱材を付加したおかげで、夏の暑さ、冬の寒さが大幅に改善できました。
夏、室内のドアを全て開け放して、2階のエアコン1台を稼働すると、室温は27℃程度に維持できます。
もちろん、フル稼働しないので、エアコンから噴き出す風も時々強くなることはありますが、気になるほどではありません。
電気使用量は夜間で一時間あたり、家全体で0.2~0.4kWh程度です。
夜間は寝室2部屋で、6帖用エアコン2台稼働しています。
基本の電気(冷蔵庫や換気扇等)は0.1kWh/hです。
19時~8時までの12時間稼働したとして、間を取って0.3kWh/hとし、
基本の電気代を引いて、1時間当たりのエアコンで使用する電力量を0.2kWh/hとします。
0.2kWh/h×12時間=2.4kWh
電気料金は従量電灯Bの第1段階が約30円/kWh、第2段階が約36円/kWh、第3段階が約40円です。(2024年9月29日現在)
一晩の電気料金は第2段階36円で計算すると、
2.4kWh×36円=86.4円
86.4円×31日=2678.4円
これが、1ケ月の夜間のエアコンの電気料金となります。
私はエアコン嫌いだったのですが、建物の断熱性能が低く、エアコンが頑張り続けていたせいだったことが分かりました。
もちろん、ガマンの省エネに比べれば電気代は若干高くなってしまいます。
しかし、気温が確実に上がっている中で、睡眠不足や熱中症のリスクを低減して、省エネで快適に健康的な生活をするためにも、住宅の温熱環境を改善することが有効な手法だと思います。
もちろん、断熱だけでなく、夏の日射が室内に入るのを防ぐ、スダレやサンシェード等の設備も有効です。
また、夏のエアコンは太陽光発電とも相性が良いです。
気温が高い日中は発電した電気でエアコンを稼働できます。
電気の地産地消ですね。
先日、NHK「クローズアップ現代」で、
【熱中症死亡者の9割が屋内】なぜエアコンをつけても家が暑いのか?温度のムラを無くすためには?グッと涼しくなる”断熱”の仕組みとは?
という内容で住宅の断熱について放送されました。
良かったら参考にご覧ください。
YouTubeでは前半のみですので、後半はテキストページでご覧ください。
後半は東京大学の前先生も出演されて説明されていましたので、テキストページもぜひご覧ください。
9月2日放送のNHK「クローズアップ現代」YouTubeチャンネル
➡ こちら
YouTubeでは前半だけなので、全編はテキストでどうぞ。
➡ テキストはこちら
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