施工の注意点 ~高断熱住宅
今回は高断熱住宅の施工上の注意点について書きます。
ご存知の通り、高断熱住宅の外皮は断熱材と高性能の窓で構成されます。
断熱性能は外皮平均熱貫流率(UA値)であらわされ、使用材料と厚さと使用面積をもとに算出できます。
そして、なるべく外皮の隙間を少なくすることも、実質の断熱性能を維持するためにも必要です。
外皮の隙間は、相当隙間面積(C値)であらわされますが、こちらは一件一件、現場で測定しなければ算出できません。
相当隙間面積は「0」に近いほど、高性能になります。
私たちが目指すのは、0.5以下です。
少なくとも0.7以下にします。
こちらの隙間は物理的な隙間ですが、熱的な隙間(熱橋・ヒートブリッジ)というものがあります。
空気は動かないけど、熱は出入りするというもので、外気に近い部分から、断熱層を貫通して室内側に熱を伝えるものがあります。
工法によりますが、私たちは構造材である木材同士の接合部を金物で接合しています。
その際、断熱層を貫通している部分を断熱処理してあげることが重要になります。
冬(暖房期)に、室内に出ている金属部分が結露し、錆びてしまいます。
古い住宅の天井裏に潜るとよく見かける現象です。
構造用の接合金物(特に貫通ボルト)が熱橋となっているためです。
窓のアルミフレーム部分が結露するのと同じ原理ですが、普段見えない部分で発生しているので、住まい手が目にすることはありません。
では、どうすれば防止できるのでしょうか?
断熱層を貫通している金物の外側と内側を断熱することをおすすめします。
施工のタイミングがちょっと難しく、ひと手間かかるのですが、これから長く使う住宅ならば、ぜひやっておいていただきたい工事です。
まずはボルトの緊結完了を確認します。
構造部材なので、留め付けが最優先です。
発泡ウレタン(一液でOK)で金物を覆います。
これで熱橋処理の外側が完了しました。
この写真は水平の梁とその上部に架けた登り梁を緊結するためのボルトを処理していますが、水平の梁同士の接合も同様です。
最近は外壁や水平構面の耐力を取るため面材を張ることが多い取るため、ボルト緊結から面材設置までの時間が短く、施工管理がちょっと大変です。
後からは施工できない部分なので、要チェックです。
上の写真は軒先の処理状況の一部ですが、結構ありますよね。
全箇所忘れずに処理しましょう。
処理し終わった箇所から、外壁の耐力面材を取付けていきます。
雨対策もしやすくなりますので、早めの施工がおすすめです。
このように、断熱・気密には設計図や計算には表せない細かい部分があります。
高性能住宅をつくるためには、使用する材料の選定や、数値などの設計も、もちろん大事です。
それと併せて、施工管理も大切なので、現場もしっかりと確認していきましょう。
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