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猛暑でも2階を快適にする方法

  • 執筆者の写真:  すまい環境設計株式会社
    すまい環境設計株式会社
  • 6月29日
  • 読了時間: 3分

更新日:6 日前

今年の6月は昨日28日時点で東京都心の真夏日が過去最多の11日になったそうです。

今年の夏はどうなってしまうのか不安に感じてしまいますね。

日経新聞2025年6月29日朝刊社会面より引用
日経新聞2025年6月29日朝刊社会面より引用

住宅の2階が暑さに悩まされている方もいらっしゃると思います。

2階の暑さの主な原因は、日中の日差しが直接当たる屋根からの熱です。

屋根材の表面温度は80℃を超えることもあります。

一般に使われているスレート系、金属系の屋根材は熱を伝えやすいので、その熱が屋根裏に伝わってしまいます。

その熱が天井に伝わり、室内を暑くしてしまうのです。


この熱の伝わりを軽減させるのが、「断熱材」です。

グラスウール10kg100mmの場合、熱抵抗値(R値)は2.0〔㎡・K/W〕

数値が大きいほど熱が伝わりにくくなります。

では、天井にこの断熱材を入れた場合にどのくらいの熱が伝わってくるのでしょうか。

屋根裏の温度を60℃、2階の室内の温度を27℃とすると、温度差は33℃です。

熱が伝わる量〔W/㎡〕=温度差33〔K〕÷熱抵抗値2.0〔㎡・K/W〕=16.5〔W/㎡〕

天井1㎡あたり、毎秒16.5Wの熱が入ってきている、という意味です。

6帖(約10㎡)の部屋の天井だと毎秒165Wです。

6帖用エアコン2.2kWの冷房能力が600Wですので、十分まかなえる熱量です。

2階全体で考えると、

2階の天井面積が50㎡の場合、毎秒825Wの熱が入ってきます

太陽高度が高くなる10時~15時の5時間は、電気ストーブを付けっ放しにしている状態ということです。

その後も冷めにくいので、輻射熱によって夜も暑い状態が続きます。


では、この状態を改善するにはどうしたら良いのでしょうか。

①断熱性能を上げる

②屋根材と断熱材の間に通気層を設けて、屋根材の熱を断熱材に伝えない

の2つが効果的です。


まず、断熱材ですが、高性能グラスウール16kg150mmにすると、熱抵抗値(R値)は3.9になります。

先ほどと同じ条件で計算すると、

熱が伝わる量〔W/㎡〕=温度差33〔K〕÷熱抵抗値3.9〔㎡・K/W〕=8.5〔W/㎡〕

天井面積50㎡の場合の熱の移動は425Wとなり、48%削減できます。

断熱材の性能や厚さによっては、更に改善できます。


次に屋根に通気層を設けると、通気層内の暖められた空気は、屋根の一番高い部分(棟)から排出されます。

下の写真は屋根材の温度と排気口の温度を測定したものです。

春先の撮影なので、温度は高くありませんが、通気層内の空気は屋根材より低いことが分かります。

屋根の通気層
屋根の通気層
屋根材取付
屋根材取付
換気棟の温度
換気棟の温度

では、グラスウール10kg100mm、熱抵抗値(R値)2.0〔㎡・K/W〕の場合、

屋根裏の温度を45℃、2階の室内の温度を27℃とすると、温度差は18℃です。

熱が伝わる量〔W/㎡〕=温度差18〔K〕÷熱抵抗値2.0〔㎡・K/W〕=9.0〔W/㎡〕

45%削減されました。

高性能グラスウール16kg150mm、熱抵抗値(R値)3.9〔㎡・K/W〕の場合、

熱が伝わる量〔W/㎡〕=温度差18〔K〕÷熱抵抗値3.9〔㎡・K/W〕=4.7〔W/㎡〕

天井面積50㎡の場合の熱の移動は235Wとなり、71%削減できます。


最近は日傘の使用が増えていますが、屋根の通気層にはそれと同じ効果があります。

断熱性能に屋根の通気層を組み合わせると断熱(遮熱)効果が高まります。

さらには、小屋裏の結露抑制、雨漏れリスクの軽減にもつながり、建物の耐久性向上も期待できます。

新築や屋根の改修をされるときは、屋根の通気も検討してみてください。





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