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地球温暖化に対応する家づくり(その1)

  • 執筆者の写真:  すまい環境設計株式会社
    すまい環境設計株式会社
  • 9月3日
  • 読了時間: 4分

9月1日、気象庁が2025年6月~8月の国内の平均気温が平年より2.36℃高く、過去最高だった昨年と一昨年を上回ったと発表しました。

気象庁の報道資料より抜粋
気象庁の報道資料より抜粋

↓詳しくはこちらの気象庁HPをご覧ください

テレビのニュースを見ていると、「過去最高」「何日連続真夏日」などの記録は報道されますが、地球温暖化との関係があまり報道されないのが気になります。

11年前の2015年のパリ協定で示された目標は、

「産業革命以前の水準と比べて1.5℃に抑える努力を継続する」です。

短期的な数字ではありますが、目標の1.5℃を超え、2℃も超えてしまっています。

地球温暖化は遠い未来の話しではなく、私たちの日常に直接的な影響を及ぼし始めています。

この状況に対応するため、特にこれから住宅を持とうとする方は将来を見据えた家づくりを考える必要があります。

温暖化に対応するために新築時に注意すべきポイントがいくつかあります。


まずは建物で一番大切な躯体性能でもある「気密」と「断熱」です。

夏の暑さ、冬の寒さ対策の重要なポイントのひとつです。

断熱性能は断熱等級6(UA値0.46)以上としてください。

今年2025年4月に改正建築物省エネ法が施行され、断熱等級4が義務化されました。

断熱等級4は2022年3月までは最高等級でしたが、2022年4月に等級5が新設され、2022年10月には、等級6、等級7が新設されました。

2030年には等級5が義務化される予定ですが、快適に暮らすためには断熱等級6以上が必要です。

そして、公的な基準はありませんが、断熱とセットで考えるべき基準が、「気密性能」です。

みなさん、寒い日に外出するときは、ダウンジャケット等を着ると思います。

寒いときはファスナーを閉めて隙間を無くしますよね?

それが住宅でいう「気密」なのです。


気密性能はC値で表されますが、C値2.0以下なら高気密住宅と呼ばれますが、それでは不十分です。

いくら断熱性能を高めても、隙間風が入る住宅では、熱や湿気が室内と屋外を簡単に出入りしてしまうのです。

断熱等級6(UA値0.46)の住宅で、気密性能C値が2.0、屋外の風速が7.9m/s程度の場合、実質の断熱性能UA値は0.56程度まで低下してしまいます。

UA値0.56は等級5(UA値0.60)の基準を少し上回る程度まで低下してしまうのです。

これでは意味がありません。

少なくともC値1.0、できれば0.5以下にするべきです。

断熱性能は、設計図から計算できますが、気密性能は実際に建築して、気密工事が完了したら現場で測定する必要があります。

工事を数時間止める必要はありますが、必ず測定することをおすすめします。

工事中でしたら、漏気箇所を特定し、塞ぐことができるので、目標のC値に近づけることができます。

気密は断熱性能を担保するだけでなく、室内の空気を新鮮に保つための「換気」にも効果があります。

いまの住宅は、室内空気を2時間毎に全て入れ替えるように換気を行うようにつくられています。

しかし、気密性能が低い(隙間が多い)と空気の入れ替えが上手くいきません。

穴の空いたストローで、コップの中の水を飲むイメージです。

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空気がよどんでしまうんですね。

もともとはシックハウス対策で導入されましたが、今は人の呼気や燃焼系の暖房設備でも発生する二酸化炭素濃度を下げる意味でも大切な機能です。

隙間があれば勝手に換気してくれる、というものではありません。

構造躯体である「気密」と「断熱」はセットです。

いわば車の両輪ですので、一緒に考えるようにしてください。


また、「断熱」というと冬に効果的なように思われる方も多いですが、夏にも効果的です。

「高断熱」は魔法瓶のようなものなので、暖かいものは暖かいまま、冷たいものは冷たいままに保ってくれるのです。

いまの暑い時期だと、室内を冷やすと涼しいままに保ってくれます。

夏に家の中を暑くする原因としては、人間の体温や家電の熱もありますが、一番は太陽の日差しです。

窓から入ってくる日射熱を遮る「遮熱」も重要になってきます。


他にも大切なポイントがありますが、また別の機会に紹介します。

個別の相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。




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