耐震等級3の施工事例(上部構造編)
- すまい環境設計株式会社

- 1月2日
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前回の基礎編につづいて上部構造編です
上部構造とは鉄筋コンクリート造の基礎の上につくる木造軸組み構造部分を指します。
前回の繰り返しになりますが、耐震等級は3段階で評価されます。
数字が大きくなるほど耐震性が高くなります。
建築基準法通りにつくると、耐震等級1(最低基準)です。
等級2は、等級1の1.25倍の強さ、
等級3は、等級1の1.5倍の強さです。
こちらも基礎構造と同じように、構造を合理的にシンプルにすることが大切です。
コストアップを最小限に抑えながら、耐震等級3にできます。
次の写真は、軸組工事が完了した状況です。
さらにその下の画像は、許容応力度計算を行っている状況です。


1階と2階の柱の位置が合っているのが分かります。
下階の柱と上階の柱の位置を揃っている割合のことを「直下率」といいます。
直下率を高めると、構造をシンプルに設計できます。
構造は建物にかかる「力」をスムーズに地盤に流すように設計します。
屋根→2F天井→2F床→1F柱→1F床→基礎→地盤
と、いう流れです。
上下階の柱が揃っていないと、あみだくじのように力が複雑に流れます。
それに対し、上下の柱が合わせると、力の流れをシンプルになります。
2F柱下に1F柱がない場合、荷重を2F床梁で受け、1F柱に流します。
つまり、2F床梁を大きくする必要があるのです。
次の写真は2F床梁を組み終わったところです。

構造を意識せずに間取りをつくると、柱の直下率が低くなりやすいです。
柱を梁で受けると、梁は床荷重に加え、柱の荷重も負担します。
柱は屋根や壁の荷重も負担しています。
さらに他の床を支える梁を受ける場合もあります。
2次、3次と受けていくと構造は複雑になっていきます。
そのような構造では、将来のリフォーム・リノベーションモしづらくなります。
そうすると将来の資産価値を下げることにもつながってしまいます。
当社では、スケルトン・インフィルの考え方を取り入れて設計しています。
つまり、同じように見える壁でも、構造上必要な壁と構造ではない壁を分けています。
構造ではない壁は将来のリフォーム工事で取り外すことができます。
構造をシンプルにできるので、コストを抑えた「無理のない耐震等級3」を造りやすくなります。
これから新築を計画される方にはこの考え方をぜひ取り入れていただきたいです。
前回の繰り返しになりますが、耐震等級3にするメリットを以下にあげます。
短期的には、
・日々安心して暮らせる
・大地震に被災した後も住み続けられる
・地震保険料が50%割引になる
長期的には、
・世代を超えて住み続けられる
・将来のリフォーム・リノベーションをしやすい
・建物の資産価値を保ちやすい
・上部構造の断熱性能・気密性能を保ちやすい
初期コストを抑えられれば、採用しない理由はないと思います。
ぜひ初期段階で耐震等級3を意識したプランニングで「無理のない耐震等級3」をつくっていただきたいです。




